WELFARE TRADE
ウェルフェアトレード(Welfaretrade)とは、福祉(Welfare)のフェアトレード(Fairtrade)。
それは全国の福祉事業所で障害のある人たちが作り出す製品や作品の価値を正当に評価し、その価値に見合った適正な価格や方法で世の中に流通させたり、またそのように流通されている製品や作品を購入すること。
それは、従来の支援目線からの「売ってあげる、買ってあげる」とは異なり、障害者が作っているというだけで安く販売したり安く買うことが当たり前という社会の不平等をなくすための取り組みです。
障害のある人たちが発揮する能力や魅力に着目し、その成果として生まれた製品や作品をフェアに評価する事、そしてその評価を思いとしてだけではなく、売上という眼に見える形で還元する事にもよって、彼ら彼女たちの制作活動や生活を応援するという仕組みがウェルフェアトレードなのです。
「作り手」や「売り手」、「買い手」として、誰もが他人事では無く当事者として関わる事が出来るのも「ウェルフェアトレード」です。
福祉の側には
障害者の働きや活動の価値を高め、社会と関わる機会を増やし、それによって障害のある人たちの収入とやり甲斐の向上に繋げます。
社会の側には
障害者が発揮する力を知ることができる場や機会を提供することで、多くの人が障害のある人たちを身近に感じ、障害者へ対するアンコンシャス・バイアス(無意識な偏見)と無関心が取り除かれる事を期待します。
私たちマジェルカでは、これらを"ウェルフェアトレード"と呼んで2011年に活動を開始しました。
障害がある人たちにとって支援が必要な部分(苦手な部分・出来ない部分)ばかりに目を向けるのではなく、彼ら彼女ら自身が発揮できる力にも目を向けること。
そこから生み出される価値(製品や作品)を、障害がある人の手によるという理由だけで低く扱うのではなく、公平に評価し、正しい方法で世の中に広めるのが「ウェルフェアトレード」です。
それは「作り手」「買い手」「売り手」の誰もが、フェアに繋がり、利益を分配し、HAPPYになれる仕組みでもあります。
ウェルフェアトレードは、製品の変化、作り手やスタッフの意識変化や行動変容、そして売上向上による、施設利用者の賃金向上といった沢山のポジティブな変化を生む仕組みです。
不公平な状態
従来の福祉では、障害者の力を発揮するという考えや意識は薄く、モノづくりやその販売活動は、あくまでも障害者を支援するためのモノづくり、支援してもらうための販売活動の域を出ないでいました。
そのため、商品の価値、障害のある人たちの仕事の質を高めることに目は向けられず、また、必要以上に安価に売買されることで、障害者が作る製品は安くて当たり前という認識を社会に根付かせてしまいました。
その結果、障害のある作り手にとって働きがいの向上や収入向上につながらないだけでなく、社会の中に、障害のある人たちの能力や働きの価値は低いというレッテルやアンコンシャス・バイアスを広めることにもなっていました。
ウェルフェアトレード
マジェルカのウェルフェアトレードでは、障害のある人たちが力を発揮することで、製品や作品を手にする方にきちんと価値を認めてもらい喜んでもらえる製品を扱います。
また、価値にきちんと見合った価格で販売することによって、誰の目にも見える形で障害者の働きの価値を高め、多くの人の目にとまるような売り場などを実践することで、社会に広まることを期待します。
その結果、売上が増えることで作り手の賃金は向上し、作り手本人の働きがいも向上します。
一方で、継続的にモノづくりを行うことで技術力も向上し、製品の魅力が向上するという好循環が生まれます。